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「あー、お前陰キャだから無理だわ」
ノアちゃんは私にこう言い放ちました。
「うちの船、定員決まってんの。お前は乗せる価値ないから」
彼女は親戚の女の子。
私は数か月前、自分の家庭の複雑な事情から、彼女の家に身を寄せることになりました。
それからというもの、彼女と同じ高校に通っています。
ノアちゃんはとてもかわいい女の子で、クラスの大の人気者です。何か面白いことや大きな笑いが起きるたび、彼女はいつもその中心にいます。
かたや、私はと言うと―――昔から「地味」の一言で済んでしまうような、まるで目立たない女子生徒。
特に目立ちたくもないのですし、できれば誰からも見つからず生きていきたいので、特に問題はないのですが(でも、意地悪されるときだけ誰かに見つかるのは、一体どういったわけなのでしょう?)。
でもそんなノアちゃんが、私は大好きです。
私にないものを、全部持っているあの子。
かわいくて、面白くて、男子と話すのも上手。
そんな彼女の言うことを、私は何でも聞いてしまいます。
代わりにノート取っといてとか、コンビニでお菓子買って来てとか。
ちょっと疑問に思うこともあるけれど、それでも私は彼女が大好きなのです。
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