弱者の呪い

5/13
前へ
/167ページ
次へ
【僕たちは夢野学園に呪いをかけます。 夢と希望が溢れるこの学園を恐怖と絶望で支配します。 呪いの発動条件はこのタイムカプセルが開かれること。 そのとき、僕たち兄弟は夢野学園に現れるでしょう。 圧倒的な強者になって。 夢野学園の生徒を殺すために】 (いじめられっ子が書いた中二病的な手紙……。 だけど、気味が悪い……。 こんな手紙読まなきゃ良かった) 香織はそんなことを考えると、読み終えた手紙をぐちゃぐちゃに丸めて、握りしめた。 今読んだばかりの手紙のせいで、香織はさっきまでの上機嫌がウソみたいに憂うつになっていた。 他人の悪感情は伝播する。 早く気持ちを切り替えなくちゃ。 香織はそんなことを考えながら、シャベルで掘った穴を埋めた後、花壇に背を向け、歩き始めた。 でもそのとき、誰もいないはずの香織の後から、なせだか男の声がした。
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加