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結局、一号機には俺とデビット、リサが。それ以外のメンバーは二号機に乗る事になった。機体は滑走路を離陸し、旋回しながらダイブを始める高度一万五千フィート(四千五百メートル)を目指して上昇していく。
機外に見えるカルフォルニアの大地が小さくなっていく。リサは食い入る様にその緑の大地を見つめている。
「リサ、君はどうして、スカイダイビングを?」
俺のその質問に窓の外を眺めていた彼女が振り返った。
「えっ? えっと、私、本当は宇宙へ行きたいの。最終的には火星に行ってみたい。だって、火星には絶対生物が居ると思っているから。でも私には無理そうだから、まずは少しでも高い空に昇ってみたいと思ったの……」
「うん? それなら、あと二年待ってくれれば、スペースYが有料の有人宇宙飛行プログラムを始めるから、宇宙へ行くことは可能だぞ」
俺のその言葉にリサが首を左右に振っている。
「でも、多分、私には難しいと思うから……」
その言葉に少しだけ違和感を覚えた。スペースYの計画は誰でも宇宙旅行を実現出来るミッションだ。何故、彼女は最初から難しいと……?
「さあ、リサ。そろそろジャンプの準備だ」
デビッドが彼女の背後に廻り、二人の身体を金具で接続する作業に入った。
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