リサとの出逢い

1/4
35人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ

リサとの出逢い

 その日、俺はサンフランシスコ郊外にあるGnoss Field Airportで友人と一緒のスカイダイビングを楽しもうとしていた。俺の所有する『セスナキャラバン』二機に八名で分れて搭乗し、カルフォルニアの空にダイブするんだ。  機体の横で待っていると、友人の一人デビッドが十代(ティーン)の女の子をタンデム装備で連れて来た。  金髪(ブロンド)のショートヘア、大きな藍色の瞳(ブルーアイ)。その顔は笑顔に溢れている。 「デビッド。その娘は?」 「ベッツ教授に頼まれたんだ。リサ・ハビガー。飛び級でスタンフォードの宇宙物理学の博士課程(ドクターコース)に居るらしい」  彼女が俺に笑顔を向けた。 「ハイ、貴方がカズキ・ランダームね。若きスペースYのCEOの。私はリサ」  俺は彼女の差し出した右手を掴んだ。 「ああ、カズキだ。宜しく。ふーん、宇宙物理学……俺達の後輩か……。それにしてもその歳で博士課程(ドクターコース)って……。凄いな……」 「まだ十六よ。でも私には時間が無いから、これでも遅いくらい……」 「えっ? 時間が無いって?」  彼女は俺のその言葉を無視してセスナに近づいていく。 「この機体で飛ぶのね。楽しみだわ……」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!