紫陽花

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  キーンコーンカーンコーン  「なあ、紫田。 今日この後って時間空いてる?」 「今日は忙しいけど、なんで?」 「そっか、ならいいんだ。 消しゴムありがと。」 気持ち悪い。 彼自身がではない。 彼が話しかけてくることが。 彼は常に明るくて、クラスの中でも常に中心にいる。 私もクラスメイトと話さない方ではないが、自ら進んで誰かに話しかけることはしなかった。 だから、この状況には違和感があるのだ。 「なあ、今日遊びに行こーぜ!」 「悪い、今日俺用事あってさ。」 彼はクラスメイトの誘いを断った後、誰かと電話をしながら教室を後にした。
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