紫陽花

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 朝の日差しが柔らかく差し込む。 布団の中は暖かくなっていた。 いつもの通り、学校へ向かう準備をする。 なぜだか震えは止まっていた。  ガラガラガラガラッ 「おはよー。」 「おはよう。」 彼はいつもの通り席について、友達と楽しそうに話している。 チャイムがなって、授業が始まった。 「消しゴム貸してくれない?昨日買えなかったからさ、、、」 「はい、、、」 「ありがとう。」 「、、、、、私も、ありがとう、、、」 「え、なんて?」 「なんでもない。」 「そこ、何話してる。」 「すいません。消しゴム借りてました〜。」 彼はなぜだか嬉しそうだった。 いつもの笑顔とは違うような気がした。 彼にもう一度ちゃんと言いたい。 綺麗なグラデーションに彩られた周りを際立たせる、優しい緑に。     「ありがとう」
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