Prologue - 夜が消えた日 -

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Prologue - 夜が消えた日 -

 僕が数学の過去問を解いていたとき、星が死んだ。  いわゆる超新星爆発というやつで、(まばゆ)いくらい光の帯が、僕の部屋の、数学の参考書まで流れ込んだ。  それは一瞬の出来事で、当たり前の崩壊が始まる合図でもあった。  日が沈めば、夜がくる。そんな当たり前を。  雨野(あめの)コハクはもう二度と目を覚まさない。そんな当たり前を。  遠く古い星の光が壊してくれる合図だった。
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