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その瞬間、フワッと躰が浮き上がるような感覚になり、やがてゆっくりと沈み込むと包まれました。
なんて……優しくて、柔らかくて、幸せな心地なのでしょう。
瞳を閉じたまま快感の海を揺蕩っていると、暫くして耳の遠くから呼びかける声が聞こえてきました。
「ビアンカ。目を、覚ましていただけますか」
でも、私……とても、気持ちよくて。
このまま、眠ってしまいたいんです……
夢の中で気怠く答えると、再び声がしました。
「ですが……貴女に、お見せしたいものがあるのですよ」
私に、見せたいもの……ですか?
抗い難い夢の世界から抜け出そうとすると、手が差し伸べられました。とても温かくて、滑らかな肌触りの手……
そこまで感じて、ハッと目を開けました。
だってそれは……先ほど手に取ったベリアルの手とは、違うものだったからです。
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