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「なあ、おっ母さん」  息子が一本の木を指して言った。 「どうして雫はあんなにも枝や葉にしがみついているんだい? あれじゃあいつか、重さでへし折れてしまうよ」  確かに、その枝の先端にはたゆたゆと実った雫が震えながらも懸命にぶら下がっていた。 「あれはね、しがみついているのではないよ。枝葉がぐっと我慢しているのです」
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