純愛☆ネットワーク

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      「純愛☆ネットワーク」  3学期最初の日、僕は自宅の団地から歩いて学校へ向かった。思ったよりも雪が深く、坂を上ってゆくのに時間がかかって、登校時間ギリギリに教室の前までたどり着いた。桜ノ丘高校1年5組。僕はコートを脱いで腕にはさみ、教室のドアの窓から中の様子を覗き込んだ。すでにホームルームが始まっているようで、担任の先生と一人の女子生徒が黒板の前に立っていた。  僕は教室の扉を開けた。それから小さく挨拶をして教室に入った。みんなの視線が僕に刺さった。 「おっ転校生、来たね。彼女の隣に並んで立って」  担任の先生が言った。 「はい」  僕は女子の隣に並んで立った。 「それでは、今日から新学期です。みんな、気合を入れて頑張っていこう。 5組は欠員が出ていましたが、二人、転校生が入ることになった。じゃあ、自己紹介。彼女から」  彼女は教室内をさっと見渡したあと黒板の方を向き、チョークで字を書き始めた。多分名前を書いているのだろう。静かな教室内にチョークの音がコンコンと響いた。  彼女は書き終えると正面を向いて小さな声で言った。 「佐々波みなみです。高知県から来ました。よろしくお願いします」 「えっ?」  僕は思わずそう口に出し、彼女を二度見した。それから僕は黒板に向かって「佐々波みなみ」の横に「星村光」と書いた。そして正面を向いた。 「星村光です。東京から来ました。よろしくお願いします」 「えっ!? 星村君!?」  が僕に言った。教室中にざわめきが起こった。 「なんだ、君たち知り合いか?」  担任が言った。 「いえ、会うのは初めてです」    僕は慌てて言った。
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