共感性羞恥

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共感性羞恥

ご機嫌よう! 私は神に選ばれし男、ジャスティス様だ! 進学校に通う傍ら、この『邪眼(デッド・アイ)』で悪を滅ぼすために戦っている、それが私だ。 ちなみに正義(ジャスティス)なのに()眼を使うのは、ジャスティスジョークさ。 そんなこんなで今日も教室に華麗に参上した私なのだが、私の目はすでに彼女に釘付けになっている。 そう、私の麗しき愛しの姫、桃香さんである。 彼女のその凛とした佇まいは私の心を掴んで離さない。 ああっ!彼女を見ていると気持ちが昂ってくる! 詩の一つでも書いてみたい気分だが、ここは一つ、ジャパンらしく短歌を詠ませていただこう。 『ああ君は 愛しき僕の ピーチ姫 どこにいようと 助けにいくよ』 …我ながら天才だ! さあ、早速この素晴らしい歌を桃香さんに伝えにいくとしよう。 彼女は歌の書かれたメモ帳をじっと見ている。 そして私に言った。 「え、キモ。まじで無理なんだけど」 ああっ、なんということだろうか。 彼女がこの歌の素晴らしさを理解するには、まだ時が早すぎたのだ! これから愛を育んでいけば、きっと私の気持ちを彼女も理解するだろう。 そんなことを思考していると、彼らがやって来た。 憎き悪の手先たちだ。 「おい正義(まさよし)、お前また桃香に変な歌を送ってドン引きされたんだってな!ハハハハハ!」 何やら私の前でほざいている。 やれやれ、私はお前たちのような雑魚にかまっている暇などないというのに。 私は静かに彼らへ言う。 「か、関係ないだろ。君たちには」 彼らが私を睨む。 「あ?」 おいおいそれで脅しのつもりか? ハハ、面白い奴らだ。 まったく、ならばガツンと言ってやろう。 「…すいませんでしたっ!!!!!」 私の邪眼を使うには彼らは実力不足だ。 ただそれだけだ。 断じて、いや断じてビビっているわけではない。 …ビビっているわけではないのです。
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