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結婚は生活とはよく言ったもので、ひとつひとつの亀裂は些細なことだった。洗濯ひとつをとってみても、使用する洗剤や柔軟剤が合わない、干し方が違う、畳み方が違う。それで大地は私をまるで非常識な人間であるかのように責める。私からすれば大地のやり方が間違っているので、結果互いに互いを非常識だと罵り合うことになってしまう。今までだって大地の家で洗濯をした事がないわけではないのに、なぜ今更こんなことを言われなければならないのかと問えば、今までは他人だったから仕方がないと思っていたけれど、これからずっとこのやり方を通されたらストレスが溜まるので最初に修正したいと言い出す。修正って何よ、そっちがおかしいんだからあなたが正しなさいよ。と、終始このような感じだ。洗濯に限らず、料理の味付けも、掃除の仕方も、何もかも合わなかった。今までは目を瞑っていられたことにいちいちめくじらを立てて、互いに妥協することもできず、話し合いではなく喧嘩になってしまう。
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