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明るい光が灯されたカウンター席。 置いたスマホが異色を放ってる。春先で買った自分へのご褒美。大事にしまくりでまだ白い綺麗な姿をキープ中。 頬杖をついて忙しなく動き回る厨房をこっそり盗み見る。甘く煮えた美味しそうな匂い。ご飯を待つ子どもみたいな瞳が見つかりそうになって、瞬間的にさっと戻す。まるで悪戯っ子。可笑しくって笑う。準備は万端で、さっきからお腹が鳴ってる。 「涼夏ちゃん?」 あ、ヤバイ。バレちゃった。 「お疲れ様でーす」 後ろから顔を覗かせた、岡崎さんに軽くお辞儀。目を丸くした彼は「遅くなってごめんね」とお決まりのセリフを添えてから、ネクタイに触れる。短い動きで整えてから、丸い板に覚束ない脚が取り付いた椅子に着く。 隣に腰掛けながら、時間を取り戻そうと目線があちこちに飛ぶ。私から、テーブルの空いたスペース。コップ一杯の水。 「え?何も頼んでないの?」 「はい」 「…それはごめん。悪いことしたね」 LINEでかなり焦った文章が届いた。 仕事が長引いて遅れるというもの。"なんでもすきなの食べて待ってて"と優しいメッセージ付き。 急いで打ったのが分かる、ひらがな多めに幸せいっぱい笑みの浮かべてウキウキしながら待っていた時間は楽しかった。…もちろん、お腹はぐうぐう鳴っていたのだけど。
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