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「好きなもの頼んでいいよ」
ここでも言われて、私はうんと悩む。
「お肉食べたいです!焼き鳥とかどうですか?」
「いいね」
塩派かタレ派か教え合いっこしながら、注文を増やす。好物の厚焼き玉子。さっき厨房で見つけたモツ煮。
「んー」
創作料理もあって面白いメニューがある。
冒険はここではしない方がいいのかもしれない。まだそんなに付き合いが長くない岡崎さんが食べれなかったら困るよね。
パタンと閉じて、岡崎さんに続きを託す。
え?それだけでいいの?って顔してる。
受け取った彼が最初のページから追っていく。私が見ていた順番通りに。
「あ。生春巻き食べたい」
ページを捲った岡崎さんがピタリと止まったタイミングで言葉を漏らした。
びっくりして、二度見する勢いで釘付けになる。事件だ。事件発生。
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