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「大変なのに来てくれてありがとうございます」 本当は日を改めた方がよかったんだろうか、って思いもあって伝える。 疲れてるところを更に疲れさせては元も子もない…。 「いや、全然。こっちこそ段取り悪くてごめん」 これ、お土産なんだけど、と岡崎さんが登場したときから持って来ていた紙袋を差し出した。 肩幅はある大きな箱が入ったそれを真横で受け取る。頼りない椅子がキコキコ鳴ってる。バランスが悪いのを腰の重さで支えながら、チラリと確認した。 「え?この間も貰ったのにいいんですか?」 「うん。寧ろ食べて貰えたら有り難い。ついつい買っちゃうんだよね」 その"ついつい"に甘えて数回貰ってるお菓子はどれも絶品で流行りを押さえたものばかりだった。 岡崎さんが訪れた先を頭に浮かべてプチ旅行。 見た目も味も楽しくて感動しながら味わうティータイム。 LINEでお礼を伝えながら、早く会いたいと岡崎さんのことばかり考えてる。 告白して、デートしてっていう妄想まで。 展開飛び過ぎな私を止めてくれる人はいない。
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