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出来立ての料理がどんどん並ぶ。
さくらんぼサワーとビールという、真逆のドリンクを見つめ、お互いに顔を見合わせながら笑顔で乾杯。
まずはひとくち、と大好きな生春巻きを頬張る。
サーモンとアボカドが包まれたモチモチした生地に、甘さにほんのり辛さをつけたチリソースを添える。
「美味し~」
これだ。正しく。私が求めていた、生春巻きがここにいる。
幸せを噛み締めていた私をまた岡崎さんが笑ってる。不思議がる様子に気づいてすかさず訂正される。
「美味しそうに食べるなぁって思って」
「美味しいです!ホント。岡崎さんも食べてみて下さいよ」
言ってみたら、これ頼んだの岡崎さんだし。
先に頂いちゃった手前で生春巻きを絶賛した。釣られて、岡崎さんも口に運ぶ。
「あ。ほんとだ。美味しい」
「ですよね」
ヤバイ。楽しくてお酒も美味しい。
飲みやすいからごくごく進む。引かれてないかと思って恐る恐るタイミング見て確認するけど、岡崎さんは皿にこぼれ落ちるたっぷりタレのついた焼き鳥に夢中だ。
ホッと胸を撫で下ろす。けど、思い直す。
私ってどう思われてるんだろ?
年の差、5歳だから、妹的な…?
うーん、複雑。
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