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昔から、勘や成り行き任せに物事を進めることが苦手だった。
できればじっくりと物事の様子を見ながら熟考した上で、先のことを決めていきたい。
焦りは判断の誤りを生んでしまう。
気持ちに余裕がない時は、無理に動くよりもその場で立ち止まり考えた方がいい。
だから彼との関係も同じように、焦らずゆっくりと進めていきたいと思っていたのに。
また私の頭の中に、小学校の和也くんの笑顔がぼんやりと浮かぶ。
久々に思い浮かべる和也くんの存在や思い出が、目の前にいるカズヤへの想いを余計に揺らがせている。
――いつもそうだった。
好きな人ができると、頭に残る和也くんの仕草や言葉と無意識に比べてしまう。
それで勝手に相手に幻滅したり、気持ちが離れたりして、自分の心の中で気持ちを勝手に完結させてしまっていた。
それがどれだけ失礼かということも、十分に分かってる。
それでもどうしようもないのだ。
ムクムクと膨れ上がる入道雲のような気持ちを抑えることはできない。
目の前の彼の眼差しにちゃんと応えることが出来るのかと、また自分の胸に訊いてみる。
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