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東京へ戻る方向に少し車を走らせたところにある「シーキャンドル」は、その名の通りロウソクのようなフォルムをしていて、珍しい形が辺りの景色に存在感を放っている。
灯台の一帯がイルミネーションで煌びやかに装飾されていた。
そのあまりの美しさは、カズヤに話し掛けられていることに気が付かなかったくらい。
「ねぇ、サラ。大丈夫?」
「あっ、ごめんなさい。見惚れちゃって」
「本当に綺麗だよね。このイルミネーションって、毎年バージョンアップしているらしいよ。だからこのイルミネーションを見られるのは今年だけなんだって」
江ノ島水族館も、展望灯台も、時代を超えて新しく生まれ変わっていく。
時代が変わって、人の気持ちも街並みも少しずつ変わっていくのは当たり前。
形あるものは経年変化を免れることなんてできない。
どうしても変わらなければならないのなら、私もいい方に変わっていきたい。
過去にばかり囚われ続けて、同じ気持ちで留まっていてはダメだよね。
光り輝く灯台と自分の姿を重ねてみる。
変わりたいと思っているなら、小4の和也くんの記憶に執着していてはいけない。
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