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――神のみぞ知る⋯⋯か。
サラのことは何度チャンスがあっても、どうにもならないものなのか。
これまでのことはただの自己満足で、何の意味もない無駄なことなのかもしれない。
結局は歴史の修正力によって、同じ結果に戻っているのかもしれないし。
「そうなんだよな。思い通りになんてならないよな、そんな簡単に」
「なんで悩んでるのか分かんないけど、焦っても良いことなんてないぞ」
誠の言葉が心にストンと落ちた。
何かによって導かれているのなら、俺が焦ったところでプラスになるわけでもない。
それなら冷静に考えて進めるべきだよな。
「分かってる。だよな。サンキュ、誠」
「感謝しなさい。今度、10倍返しで」
ふふっと誠はまた目を細め、手に持っていたコーヒーをひと口すすり、再びスマートフォンに目を落とした。
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