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俺たちが囲むテーブルには、いろいろな種類のお菓子と飲み物が用意されている。
新見が顎と腰に手を置いて、まるで名探偵が事件現場に残された犯人のわずかな手がかりを探すかのように、よく吟味してお菓子を選んでいる。
「いやぁ~、どれにしようかなぁ~。やっぱこっちかなぁ」
慎重に選ぶ新見を気にすることなく、横からサッと手を出した竹原がその中の1つを取る。
こういう些細な所に性格が出る。
個性豊かな俺たちが集まれば、行動もてんでんばらばら。見事なほどに違う。
「俺、これ~。ほら見て。江ノ島名物、『丸焼きたこせんべい』だって。すげぇでかいじゃん。それに名前からして絶対に美味いヤツじゃん~。うん、めっちゃ美味いよ、これ」
竹原はせんべいを丁寧に袋の中で小さく砕いて、そのひと欠片を口に入れてから、隣にいた三島にも勧めていた。
三島が竹原の持っている小袋に手を伸ばそうとした瞬間にキッと睨んだ。
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