111人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、三島! なんで俺の取るんだよ」
「だってタケが美味いって言うから~」
「まだ向こうに新しいのがあるだろ」
「一口ぐらい味見させてくれたっていいじゃん。本当にタケはケチだよなぁ~。しょうがないから、こっちのをいただくとするか」
「えっ、なにそれ~! めっちゃ大きいじゃん。竹原の顔より大きいんじゃない。俺もそれ欲しい~」
三島に続いて仙堂もたこせんべいを手に取る。
「丸焼きたこせんべい」はその名の通り、タコが丸々入っていて、そのビジュアルはなかなかインパクトがあった。
伏見はそんなメンバーの傍らに座りながら、一人黙々と本を読んでいる。
これが俺らのいつもの距離感。
好きなことを好き好きにやっていて、でも気になることがあると寄ってきて、時々一緒に共有する。そして各々の意志を尊重し合う。
そんな中で誠はスマートフォンでニュースを見ながら、周りに聞こえるくらいのボリュームで独り言を言っていた。
これもまたいつもの光景である。
最初のコメントを投稿しよう!