第5章 江ノ島 (4回目)

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「へぇ~。江ノ島のイルミネーションって、関東三大イルミネーションなんだね。あんまり江ノ島でイルミネーションってイメージないけどな。『藤沢の市の花である藤の色に染まるイルミネーションや、7万個のスワロフスキーを使用した光のトンネルは圧巻です』だって。あっ、3月末までやってる。今度行ってみようかな」  江ノ島のイルミネーション――?  身体を少し乗り出して、隣にいた誠のスマートフォン画面をさり気なく覗き込む。  その画面では、眩いばかりに光るイルミネーションがシーキャンドルの周りに埋め尽くされていた。  昨日サラと見たものよりさらに多くの電球が飾り付けられ、色彩豊かに彩られている。   そうか。あの時代より今の方が規模が大きくなってるんだった。  時間が過ぎれば景色も変わる。  余計にサラとの距離を感じる。  イルミネーションを見上げるサラの顔、すごく曇ってたんだよな。
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