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閑静な住宅街の中にある15階建てのマンション。赤いレンガ調の外観が離れた場所からでもよく目立つ建物。そこの7階の部屋。
サラから貰ったメモ紙を確認する。
このマンションの702号室だな。
今ごろ心配してるだろうな。
さすがに怒っているかな。
部屋はすぐに見つけられた。
エレベーターを7階で降りて二つ先の扉。
扉にはしっかりと「瀬戸山」と書いてある。
はやる気持ちを抑えるように息を整えながら、インターホンを押す。
ピンポーン。
予想以上に大きなインターホンの音が辺りに響き渡っていたが、部屋の中からの返答は全く聞こえない。物音のする様子もない。
それからもう二回押してみたが、俺を拒否するように、扉はピクリとも動かない。
スマートフォンでサラの番号に掛けてみたが、その番号が存在しているのか疑わしいほど、機械的な呼び出し音だけがいつまでも聴こえているだけだった。
他になす術もなく、しばらくサラの部屋の前で待ってみることにした。
*
――1時間が経った。
隣の部屋の住人らしき女性が、怪訝そうな表情でこちらを上から下まで舐め回すように見ながら部屋に入っていった。
フードを被った男が女性の部屋の前で長時間待っている光景なんて、十分怪しいか。
サラ。どこにいるんだよ――。
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