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――3時間が過ぎた。
あったけぇ~。
マンションの目の前のコンビニで買ってきたホットコーヒーの缶で、両手を温める。
師走の夜の寒さはさすがに身体に堪える。
コーヒーを一口含んで飲み込むと、芯まで冷え切っていた身体に温かさが染み渡り、吐いた白い息がフワッと丸く広がった。
腕時計の針は20時を指している。
部屋で寝てるって可能性もあるか。
もう一度だけインターホンを押して、それでもダメだったら諦めよう。
ピンポーン。
全く微動だにしない扉。
大きな音だけが悲しく響く。
まさか、俺の態度にうんざりして会うのをやめたとか。無駄に焦ってサラとの関係を強引に進めようとなんてするから――。
あーっ! もう、うまくいかねぇ!
たったひと目でいいからサラに会いたかった。
感傷的な深いため息をつく。
おもむろにバックの中からペンとさっきの缶コーヒーのレシートを取り出し、その裏にサラへのメッセージを書いて部屋のポストに入れておいた。
どうか、サラが気付きますように。
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