第6章 距離 (5回目)

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「えっ、うそ⋯⋯」  驚きと嬉しさに呆然となる。  リアリティのない夢を見てるみたい。  『 サラへ 今日は会えなくて残念だったよ。 サラの顔だけでも見たかった。 年末年始は仕事が忙しくなるから、しばらく会えそうにないんだ。 でももし良かったら、少し先になるけど来年の2月12日に日帰りで温泉に行かない? 朝10時頃に車で迎えに来るから。 あと俺の携帯番号。 080-××××-×××× なんかあったら掛けてよ。 和也より 』   カズヤだ――。  まったく。日にちまで決めてるし。  でも今はその強引さが胸に染みる。 ――どうしよう。日帰り旅行だなんて。  いろいろと想像したら恥ずかしくなってしまうけれど、泊まりの旅行ではないし、たぶんそういうつもりじゃないよね。  あまり意識する方がかえって良くないから、気にせずにいよう。 
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