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《 2020年12月19日 》
「はぁ~。生き返る~」
サラの部屋の前で3時間待っていたけれど、結局サラは戻って来なかった。
都会にいるのに広い平原のど真ん中に一人ポツンと取り残されたような孤独を感じた。
自宅へ戻るとその足で風呂を沸かし、芯まで凍えた身体を熱めのお湯に浸けた。気が緩んだのか、多少の気だるさも感じる。
少しでもいいから会いたかった。
サラの顔を見ると力をもらえる。
今ごろメモに気付いているだろうか。
たぶん電話番号は繋がらない。
風呂から上がってざっと髪を乾かしながら、今日自宅のポストに届いた郵便物を一枚ずつチェックしていると、その中に母さんの名前の書かれた手紙を見つけた。
中には二枚の便箋と一緒に、なぜか小4の遠足の写真が一枚だけ入っていた。
この写真のことはよく覚えている。
恥ずかしくて買わなかったけれど、サラと手を繋いで撮った唯一の写真だった。
――この写真、和也くんは買わないの?
サラが照れくさそうに俺に訊いた。
廊下の壁にズラっと張り出された写真の中から、サラが二人の写真をさす風景が甦る。
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