第7章 真実 (6.7回目)

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 身支度を済ませて、大浴場の入口に向かうと、タオルを被ってバサバサと髪を拭いている、和也の姿が見えた。  胸がドクンと波打つ。  いつもと違う和也の姿は、色気のようなものを発していた。  「おまたせ。和也」 「すごくいいお風呂だったね」 「うん⋯⋯」  濡れ髪の和也は、一段と格好良かった。  外で会う和也よりも、心の距離が近づいたような気がする。  胸の音が、自分の耳にまで聴こえる。  私、まるで魔法にかかったみたい。   胸に手を押えて、自分の心臓の速さを確認していたら、余計に緊張してきて、部屋まで戻る間は、少し無口になっていた。  部屋に戻り、和也が入口の襖を閉める音が、静まり返った部屋に響く。  それから、空気がピンと張り詰めたような静寂に包まれる。  その沈黙に耐え切れなくなって、和也に背を向けると、少しだけ距離を取った。  カラカラカラ――。  庭側の大きなガラス戸を、和也が開けた。  そこへ腰を下ろし、外へ素足を投げ出す。  私も外の空気を吸いたくて、和也から少し離れたところに座った。 「こういうゆったりした時間が、贅沢な時間って言うんだろうね」 「うん。今日は、誘ってくれてありがとう」 「まだ来たばかりなのに、もうすぐに帰るみたいな口ぶりだね」 「うふふ。そうだよね」 
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