第7章 真実 (6.7回目)

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*** 《 2011年2月13日 》   鳥のさえずりが、微かに聴こえる。  明るさを感じた瞼をゆっくりと開くと、まだ寝息を立てている和也の体温を感じた。  良かった。夢じゃない。  愛しい寝顔の頬に、軽くキスをする。  ガバッ!  突然、強く身体が引き寄せられる。  まだ和也の目は閉じられたままだったが、口元にうっすらと笑みを浮かべていた。  「 もう! 寝たフリしてたのね、和也」   いくら身体をよじって離れようとしても、筋肉質な和也の腕の力が強くて、全くかなわない。力を入れるその腕に、細い血管が浮かび上がる。 「絶対に離さないから」 「じゃあもういいや。ここままで」 「一生離さなくてもいいんだな~」   朝日の気配が漂うベッドの中で、こんなじゃれ合いをするのだって、どこかくすぐったくて、思わずニヤけてしまう。  「せっかくだから、部屋の露天風呂で、汗でも流して来ようかな。サラも一緒に入る?」 「私は、いいや⋯⋯」 「なんだ、残念」  ベッドから見える庭は、またその姿を変えたように、朝の光が木々の隙間を縫って、地面に落ちながらチカチカと輝いている。  ゆっくりと身体を起こした和也は、露天風呂の方へ向かって行った。 
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