第7章 真実 (6.7回目)

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*  二人の周りに、重い沈黙が流れる。  目には見えない、分厚いフィルターが掛かったような、距離感が生まれていた。  不安げな表情で、こちらを見ているサラの前に、静かに腰を下ろす。 ――どこから話せばいいか。  とうとう訪れてしまった。この瞬間が。  「ねぇ、サラ。俺の話の前に、これだけは、信じていて欲しい。俺にとって、何よりも大切なものは、サラだけだから。これから、どんな話を聞いたとしても、それだけは必ず分かっていて欲しい」 「⋯⋯分かった」   息をこらすように、サラはこちらを見つめ、俺の言葉を全て受け取ろうとしている。  いつかこんな日が来ることは想像していたけれど、現実は厳しいものだった。  なぜ、今なのだろう。運命とは残酷だ。  幸せの絶頂から、地獄へ落とされる気分。  喉の奥が締め付けられるように苦しくて、悪い夢の続きを見ているようだ。  この数ヶ月間に俺たちが積み上げたものが、一気に崩れ落ちてしまうかもしれない。  まずどこから話せば、サラに分かってもらえるだろうか。  身体により多くの空気を流し込んで、心を静めると、言葉を一つ一つ選ぶように、サラに向けて語り始めた。 
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