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これは、夢なのか。
それとも、降って湧いたチャンスか。
この話が本当だったとしたら、今よりも悪い未来になる危険もはらんでいるのか。
「あの、今の話を聞いていると、過去をやり直せたり、未来を見に行けたりすることは、僕にとってプラスなことばかりですよね。その代償というか⋯⋯リスクがあったりはしないんですか。たとえば、歳を取るスピードが、異様に早くなるとか」
「いいえ。そういったものは、全くございません。私がこのお話を提案させて頂く方には、一定の条件がございます。その条件は、こちらの事情により、ご説明する訳にはいきませんが」
真実か、そうでないかは、もうこの際、どうでもよかった。
どんなに足掻いても変えられない、サラを亡くした苦しみから脱却できるものを、心のどこかで求めていたから。
サラが生きている未来が、万に一つでもあるなら、そこに賭けてみたかった。
どんなことがあっても、この最低な状況よりも悪くなることはないんだから。
もう、俺に、失うものは何も無い。
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