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「サラ。待ち合わせ、13時だったよね」
「まだ12時半だから、間に合ったみたいだね。いや、ちょっと待って」
「どうしたの」
「⋯⋯違う。私、12時半過ぎから、待ってたんだ。だから、そろそろ隠れないと」
「なぜ、そんなに早く」
「待ちきれなかったから⋯⋯」
顔を赤らめるサラに強く手を引かれ、向いの家の影へ隠れた。
それと同時に、サラの自宅の玄関が勢いよく開いて、中から10歳のサラが姿を現す。
辺りをキョロキョロと見回している。
「サラ、可愛い!」
「昔は腰くらいまで髪があったから、いつも三つ編みしてたんだよね。懐かしいなぁ」
家の前に立っている10歳のサラは、さっきからしきりに手の中に持つ、小さな何かを確認している。
「手の中に、何か持ってるのかな」
「あれね⋯⋯四つ葉のクローバーなの」
「えっ、なんで!」
サラの言葉に、自分の耳を疑う。
まさか、四つ葉のクローバーだなんて。
俺が必死になっても見つけられなかった。
あの日から、もう探すのはやめた、四つ葉のクローバー。
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