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3月の修了式当日になっても、四つ葉のクローバーは見つからなかった。
そのことへの負い目からか、しばらく意識的にサラを避けてしまっていた。
探そうと言い始めたのは俺なのに、合わせる顔がない。
だが修了式の帰りに、体育館の入口で、突然サラに引き止められる。
久しぶりに見るサラ――。
いつもと変わらず、大きな目をクシャッと細くさせた笑顔。
サラの笑顔に何度勇気をもらっただろう。
それなのに思わず目を逸らしてしまった。
――和也くん! あのね、3月25日の午後に東京に行くことになったから、13時頃に家に来て。渡すものがあるの。
少し照れた顔で、それだけを告げると、すぐに立ち去ってしまった。
何も言えなかった。
いや、言わなかったのかもしれない。
サラに情けない所を見せたくなかった。
3月25日にサラは東京へ行ってしまう。
大好きなサラが。
あの笑顔も、もう二度と見られない。
俺はそれでいいのか。
このままサヨナラをしてしまっても。
繰り返し頭の中で自問自答するだけで、自分から動く勇気など、そもそもなかった。
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