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だが、こんな息つく暇もない忙しさが、今はものすごく有り難かった。
追い立てられるような慌ただしい時間は、余計なことを考えなくて済む。
無駄な時間があると、サラのことばかりを考えてしまうから。
どうすればサラは死なずに済んだのだろう。
どこからが間違っていたのだろう。
何かできることは無かったのだろうか。
次から次へと、考えが現れては消えるを無駄に繰り返すだけ。
だがどんなに考えても、結局俺のせいでこうなったのではないかという気持ちに戻って、何度も自分を責めた。
その度に、言いようのない悔しさが胸に込み上げた。出口が存在しない迷路を、彷徨い歩いているみたいに。
悩んだところで何の意味もないのなら、いっそのこと考えない方がいい。
そんなことは誰かに言われなくても、嫌というほど分かっている。
分かっているけど、理屈じゃない――。
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