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「でも本当にすみませんでした」
「いいよ。それに俺の方こそ、何も言わずに帰っちゃってごめん。急いで戻らなくてはいけない都合があって。だから今日はちゃんと謝らなきゃと思って、店に寄ってみたんだ」
「急用で帰られたんですね」
「あともう一つ目的があってね」
「目的?」
「実は前回言おうと思ってたんだけど、今度俺とデートしない?」
「えっ、デートって⋯⋯」
彼の口から出た言葉を反復してみたけど、全然頭の中で処理できない。
デートってあのデートだよね。
何度も意味を考えてみる。
二人で出掛けるデートのことを指しているなら、さすがにこの展開は急すぎる。
最近流行りのドラマだって、こんなに急展開じゃないのに。
でもたぶんこんな言葉を期待して、ここで待ち続けてたのかもしれないとも思う。
こんなドラマチックな展開を。
もう一度自分に問いかけてみる。
「⋯⋯サラちゃん、大丈夫?」
肩に触れた岸本さんの手の温度に、ようやく我に返る。
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