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今日の会議はユニット曲の選曲と大まかなイメージまでを決めることになっていた。
何気なく伏見の方に目を向けると、視線がぶつかる。
「えっ、なに」
イヤフォンの片耳だけを外して訊いた。
伏見がこちらに話し掛けているのかと思ったからだ。
「いや、別に」
「あっ、そう」
「でも⋯⋯ここしばらく、そっちが悩んでる顔してるなぁって思ってはいたけど」
「あぁ」
それぞれが違う方向に顔を向けたまま、囁くような小さな声で話を続ける。
「なに。グループのこと?」
「いや。どちらかと言えば、俺自身のことかな」
「そう⋯⋯」
「最近、自分のことが分かんなくなってさ」
「うん⋯⋯」
「視野が狭いのかな。メンバーが頑張っているのは分かってるんだけど、だからこそ焦ったりしてて。忙しくさせてもらってても、本当にこれでいいのかなって」
「そう⋯⋯」
「あと、別件で考えてることもあって」
「⋯⋯そっか」
「そんな感じかな」
「まぁ、メンバーみんな同じ気持ちなんじゃん。不安になりながら、それでも必死に前に進む感覚っていうか。俺もそうだしさ」
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