第1章 誕生日 (1回目)

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――私は今日、また一つ、歳をいただいた。  おばあちゃんからは、「歳はとるものじゃなくいただくものなんだよ。この世に生かさせてもらっているんだから、無事に歳を重ねられたことに感謝をしないと」と教えられた。  そんな私も、今年で22。  20歳の誕生日から、毎年新しいことにチャレンジするという、マイルールを決めている。  きっかけは成人の日のニュース番組だった。  街頭インタビューを受ける新成人の女性が、「大人の経験を積むために、毎年新しいチャレンジをしていきたい」と、目を輝かせて答えている姿を見て、ショックを受けた。  同じ新成人である自分の考えが、あまりに幼く、中途半端に感じたからだ。  ちょうどその時期、自分の才能に限界を感じていたこともあって、その女性の言葉に、前へ進む勇気と刺激をもらった。  たとえ、大きなことに挑戦できなくても、小さな幸せや、目標でいいから、前へ進もうと。  22歳になったばかりの今日、また新しい経験がプラスされる。 『バーでの一人飲み』  私にとって、大きな挑戦だった。  新しい挑戦は、新たな景色を見せてくれる。  今日はどんな新しい体験ができるんだろう。  いつになくワクワクしている、自分の胸の高鳴りに期待していた。
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