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彼と一緒に居ると、今まで感じたことのない感情や感覚に出会える。
こんなに緊張しているのに、一方で居心地が良く感じることもそう。
初めて話をしたときから何となく感じていた、心穏やかになるこの感覚は一体どこから来ているのだろう。
そんなことを考えているうちに、また「好意」の色をした言葉が溢れていく。
運転している彼に向かって話すくらいの距離感がちょうどいい。
でも会話の途中に一瞬だけでもこちらに目を向けられると、反射的に逸らしてしまう。
この距離で見つめ合うのはさすがに無理。
ドライブデートもこれが初めて。
以前読んだ本に、ドライブに誘うのは「相手のことをもっと知りたい願望がある」と書かれていた。
岸本さんは、私のことをもっと知りたいと思ってくれているのかな。
「サラちゃん、緊張してる?」
「あっ、はい⋯⋯」
「だよね。実は、俺もなんだ」
「えっ、岸本さんも?」
そんな、まさか。
目線は前に向けたままで、彼の耳がだんだんと赤く染まっていく。
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