第4章 祈り (3回目)

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「フェアリーパークって、来年開園30周年なんですって。幼い頃からこの遊園地が大好きで、誕生日には毎年必ず遊びに来ていたんです」 「そうだったね⋯⋯」 「えっ」 「いや、なんでもない」   危ない、危ない。  少しでも気を抜いていると、うっかり余計なことまで口を滑らしてしまいそうだ。  サラがこの遊園地を好きなことは、もちろん昔から知っている。  毎年誕生日の時期になると決まって「今度のお休みにフェアリーパークに行くんだ! いいでしょ~」と、上機嫌に話していた。  だからこそサラとのデートはこの場所でななくてはならない。  遊園地デートだなんて俺の柄じゃないけど。  幼い頃、ひそかに思っていた――。  いつかこの場所に俺がサラを連れてきてあげたいと。ただサラの喜ぶ顔が見たかった。  だから今日のデートは、長年胸に秘めていた思いを実現するためでもあった。  そして今まさに隣にはその眩しい笑顔が、奇跡のように存在している。 
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