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サングラスを掛けたままで、サラと桃色のフェアリーの隣にさり気なく立つと、俺も写真に収まった。
満面の笑みを浮かべているサラの横で、一応ピースサインだけはしておく。
こうやって昔もサラの天真爛漫な行動に、なんだかんだ巻き込まれていた。
だが嫌な顔をしながらもサラの笑顔を見てしまうと、白旗を上げざるを得なかった。
そのくらいあの笑顔には絶対的な力があった。特に俺にとっては効果絶大だ。
普段は物静かで人見知りなのに、気心の知れた間柄の人間にだけは心を開いて、子どもっぽい内面を見せてくれる。
そのギャップを知った人はみな、自然とサラを好きになっている。
そのことを本人は自覚しているのだろうか。
撮影を頼んだ女性にお礼を言ったあと、サラは小走りで戻ってきた。
「もう~、岸本さん。せっかくフェアリーと撮ったのにサングラスのままじゃないですか」
撮影した写真を俺に見せながら、サラがケラケラと笑う。懐かしい笑い方。
「あぁ。ほら、太陽が眩しかったから」
「ふふっ。岸本さんって面白いですね」
本当のことを言えば、太陽よりサラの笑顔の方がよっぽど眩しかった。
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