第4章 祈り (3回目)

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 絶叫系が苦手なサラが乗れるようなものをいくつか乗った。観覧車やメリーゴーランド、ゴーカートなんかを。  サラはいつもよりテンションが高く、子供みたいに目を輝かせて人懐っこい笑顔を見せた。  そんなサラを見ているだけで、俺の心は満ち足りていた。 ――でもこの笑顔は「俺の現実世界」には存在しないんだよな。  フェアリーパークの存在自体が非日常の空間だけど、俺にとってここに見えている全てのものが虚構に過ぎず、実際に存在しているのかすらも分からない。  手を伸ばせばすぐに届く距離にあるのに。  この場所で何ができるのだろう。  サラと普通に過ごしているだけじゃ、ダメなのかもしれない。  ここに来ていることそのものが、かなり大きな変化のはずなのに、それだけじゃ何かが足りないってことだろう。  きっと考えているよりもっと、何か大事な役目があってこの場所に来ているはずなんだ。まずは早くその役目を見つけないと。  だがここに来たのは、間違いなく自分の意思だった。  だから来ない選択肢だって選べたはずだ。  何かの力によって導かれているとしたら。  それなら焦らなくたって、答えは向こうからやって来るのではないだろうか。  まるで人生みたいだな――。  何のために、この場所に生まれたのかと、誰かに問われているような。 ――自分の意思か? ――何かに導かれたのか?  どう考えるかは生き方次第ってことか。
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