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「わかった。谷川ありがとう。警備員と向かうよ」
ちょうど体育教師の道場先生だった。
道場は身長は170センチ弱だが、柔道などの段持ちだ。
体格もよく、強面なので初対面だと間違いなく相手がビビる。
すぐに行動に移してくれた道場を見送り、安心して職員室を出て愛夏のもとに向かう里奈の脳裏に別の心配が横切る。
(愛夏ちゃん、まさか見張ってるの見つかったりしてないよね……?)
自分が見張りを頼んだだけにどんどん心配が増す里奈はまた走ってはいけない廊下を中庭が見える通路まで駆けていった。
視界に愛夏の後ろ姿が入ると、ホッと息を付く。
反対の校舎から道場が警備員を伴って中庭へ向かっているのが見えた。
「愛夏ちゃん、もう大丈夫」
「ああ。りなりな」
「道場先生にお願いしてきたから……」
「そうみたいね。あとは先生がなんとかしてくれるよね? 教室に戻ろう」
「うん」
不審者と道場たちの様子を少し見ていたが、不審者がおとなしく道場たちについていったので里奈と愛夏はひと安心して教室に戻っていった。
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