いつものバス通学

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朝食を食べ終えた里奈はいつもより丁寧に歯磨きをして、いつもより丁寧に背中の中ほどまである髪をひとつに束ねた。 いーっと剥き出して歯磨き確認、くるりと体を回転させて髪型と制服の確認をすると一度自室に上がって、カバンを持つ。 (昨日しっかり時間割は合わせたから大丈夫っと) ハンカチ、ポケットティッシュもOKだ。 「よし!」 両手を胸の前でぐっと握りしめて気合を入れると、元気に階下へ降りる。 ちょうど起きてきた父が食卓についていた。 「お父さん、おはよう」 「おはよう」 「お母さん、私もう出るね」 「え? いつもより早いんじゃないの?」 里奈にいつもと違うパターンで行動されて、すっかり面食らっている母は言いながら時計を確認する。 「あら…そんなに変わらないわ…」 「そうよ。走っていかなくてすむ時間なだけ。…じゃ、いってきまーす!」 「…ほう。高校2年生にしてやっと落ち着いたのか、里奈は」 元気に出ていく姿はいつもと変わりない。 特に心配する様子もなく父は感心していたが、母は驚きすぎて里奈にお弁当を渡すのを忘れていたことに気づいていなかった。
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