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「裏切り者」
そう家に帰った途端、涙ながらも怒っている声がした。
走って階段から降りてきたこの子を知っている。双子の妹の親友だ。
「待ってくれ、マリア」
そう追いかけて降りてくるのは、パンツ一丁の兄だ。もう一度いおうパンツ一丁の兄だ。何をしでかしたんだこの馬鹿。まあ兄と言っても1歳しか違わないが。
「そうだ。きれいな思い出のまま殺せばいいんだ。」
マリアさん、それは物騒すぎじゃないですか。兄貴にさよならの言葉を伝えておこう。マリアさんがうちの台所から取り出してきたのは、俺愛用のフルーツナイフじゃないですか。
「兄貴今までありがとな。」
「見捨てんなよ、俊介。」
「さよなら、収」
「もう争わないでくれ。」
おいおい待て待て、なぜ俺の親友の拓実が出てくるんだ。俺は、一つの考えにたどり着いた。つまり兄貴彼女いたのに、不倫したんだな。断罪すべし。
マリアさんやっちゃってくださいといいたいが我慢だ。これでも、兄貴だからな。
「あなたに不倫ぐせがあるのは、知ってたけど、男となんて、、、あんなの見せられたら、やりきれないじゃない。私とのあれは偽物だったの。愛されないより、愛されたふりをされるほうが悲しいわ。」
「兄貴死すべき」
やべ、口が滑ってしまった。さあどう出る兄貴。
「俺が悪いのは、知ってるでも、拓実のことが好きになってしまったんだ。マリアのことが、本気だった。でも拓実と会ってからもうマリアを一番に考えれなくなったんだ、なってしまったんだ。」
兄貴不倫する典型的なクズだなあと思いながらも回ってきた拓実
のターン
「マリアさんには悪いと思っています。でも僕だって本気なんです。収の幸せを望むなら別れてください。」
激しい、激し過ぎる。マリアに対して攻撃的だなあ。
「私とは偽物だったのね。」
マリアが呟き、不味いと思った時、
「ただいまー、俊介が欲しがってたエロゲ、人妻攻略24時5がそこのブックオンに売ってたよ。」
双子の妹が帰ってきて、しかも爆弾発言しやがった。
あの後、床が赤く染まったが、全て僕の涙だった。マリアさんと兄貴と拓実は、って。なんか恥ずかしくなって、どうでもよくなったんだとさ。
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