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なんで自分がこんなに心配しなくてはいけないんだろう。少し怒りが込み上げて踵を返して和室に行った。男の小人と女の小人が座布団の上で横になっている。飲みすぎだろう。真っ赤な顔をしてぐうぐういびきを掻いていた。愛花はまだしっかりしてそうな、先ほどの男の小人に言った。
「ビールと日本酒が無くなってることお母さんが気づいたらどうするの?」
「大丈夫だよ。お正月だってバレなかった」
小人はたまにアルコール類を盗んでいるようだ。お正月はリビングで家族四人でいたから和室にほとんど来てない。神棚にお供えものを持って来たくらいだ。朝一番だったからその後に小人は飲んでたのだろう。
愛花は積み重ねてある座布団を一枚取って畳の上に置いた。その上に座ると説教を始めた。
「建国記念の日だって昼間から飲むのは良くない気がするよ。せめて皆んなが寝静まってからにしてよ」
小人は驚いた顔をした。
「夜に電気を点けていたらそれこそ目立つだろう」
小人の言うことももっともだ。だが何時お父さんやお母さんが来るかもしれないと思うとヒヤヒヤする。
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