小人がいました

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 愛花は目の前の光景が信じられなかった。小さな人間が皆んなで宴会をやっている。小さな人間は三十センチくらいだ。顔が大きく身体はぽっちゃりしている。三頭身とはいかないが四頭身くらいだろう。年齢は人間でいうと三、四十代。男と女が合わせて八人いる。愛花は呆然と小人たちを眺めた。  ここは二階建ての建売住宅の一階だ。一階はリビングにキッチン、六畳の和室がある。今、愛花がいるのは和室。仏壇が置いてあって炬燵がある。小人たちは炬燵の横で酔っているのかどんちゃん騒ぎをしている。料理は卵焼きに唐揚げ、ゴボウサラダ。ミートボール。どれも愛花の家の冷蔵庫にあったもので作れるご馳走だ。小人たちは勝手に冷蔵庫から食材を出してキッチンを使ったのだろうか。五百ミリリットルの缶ビールもプルタブが空いて置いてあるし、お父さんが飲むワンカップも蓋が空いて半分くらいまで量が減っている。  小人のうちの三十代後半くらいの男の小人が愛花の方を見て笑った。 「今日は建国記念の日だろう。人間がお祝いをしてるんなら小人も宴会をしようってことになってな。いつもは姿を隠してるんだが、酔ってどうでもよくなった。この銘柄の日本酒って美味しいんだな」  可愛らしい丸くて赤い頬をした女の小人が笑顔になる。そして今喋った男の小人と腕を絡ませる。恋人か奥さんだろう。
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