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「卒業までまだ時間あるし、もっとおまじないをがんばれば? いつかきっと、愛美の想いが届くよ!」
友香が板についた偽物の笑顔を浮かべれば、愛美も涙を拭って、微笑み返す。
「そ……そうだよね。卒業しても、同じ中学に上がるだけだし、また同じクラスになれて、きっとまた、想いを伝えるチャンスも、あるよね!」
よし! と小さくこぶしを作る愛美を見ながら、友香は心の中で舌を出す。
『ざんねーん! 愛美には、もうチャンスなんてないよ! 勇人はね、私立中学に通うの。そして、わたしもね』
「いつもありがとう、ともちゃん! 中学に上がっても、仲良くしてね!」
にっこりと輝くような笑顔を見せる愛美に、友香も心からの笑顔を返す。
「こっちこそ、ありがとう。愛美」
『おバカでいてくれて。わたしのうそを、信じてくれて』
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