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「うちにいる幾億ものファミリーに会いに行くだけだ。もはやこの地球上に敵などいない。戦争もまだ始まったばかりだからな」
それを聞いたドーソンは沸き上がる喜びに耐えきれずまた泣いてしまった。コートの裾で涙を拭きながら、コールズの片手を両手でがっしりと掴んだ。公園の土で汚れた彼の手に額をこすりつけて嘆願する。
「おれも一緒に行かせてくれ。もう一度、一からやり直したいんだ。こんな所でくすぶってる場合じゃねぇ」
「当たり前だろドーソン君。旅は始まってもいないんだからな。果てしない長旅になるが、君となら飽きないだろうね」
公園をしっかりとした足どりで出ていく二人を太陽が優しく照らし続けていた。
END
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