あまりにもそれは怠惰(エピローグ)

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あまりにもそれは怠惰(エピローグ)

「いただきます………」 その日のランチはステーキだった。お母さんが買ってきた高級牛肉のプロが焼いたステーキ。美味しいけれども何だか物足りない。 振り返って見れば苦労した経験が殆ど無い。 頭は良かったし友達もたくさん出来た。 お父さんは社長でお母さんは専業主婦(元はシェフ)バイト先も良い人ばかり。 ああ、恵まれてるとは分かっているけれど 何だか心に空いた穴が塞がらない気分だよ その時、電話が震えた 「はいもしもし?」 「満!今すぐそこから逃げろ!死ぬぞ!!」 お父さんだ、何だかとても怖い喋り方をする 電話切れちゃったし、水でも取りに行こ う……… ドアを開けて数分後、多分僕は死んだ。 スイーツ(笑)みたいじゃ無いけど一瞬の 痛みで死ぬとは思わなかったな。でも死んじゃったしもう笑うしか無いのかな。太中満(タナカトオル)(23)死亡(笑)みたいな あはは……… って目が覚めたら真っ暗な空間に居た。 音も無い気味の悪い空間だった "太中満 23歳 男 死因 刺殺 ねえ………" 声がする。閻魔様かな つまりここは地獄? "恵まれ過ぎてつまんなーい。ま、私には関係無いけどさあ" 何だこの声………高さからして女性か? わ、目の前に本当に女性が居た。白いベールみたいなのを着ている。頭上に輪っかまであって絵本みたいで……思わず笑ってしまった "あら、笑ってるの。随分余裕ね……ところであなた、異世界転生って知ってる?" 異世界転生……ネットに有り触れている小説に多いやつだ。それがどうしたのだろう "これからあなたにはそれを体験してもらうんだけど" "桃色だけ覚えてなさい。じゃあね" 桃色?何で?あ、周りが白くなってく。天国と地獄どっちに行けるかなあ……天国がいいなぁ………ねむい ねよう
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