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おっぱいを吸ってる内に一年が経った。
どうやら僕は別の誰かに生まれ変わってしまったらしい。やっと立てる様になって自分の顔を鏡で見た時は驚愕した、前世とは全く違う西洋系の顔立ちだったからである。
まあ、お母さんもお父さんも西洋系だったし
当たり前っちゃ当たり前だが。
しかし、ここは何なんだろう。あの黒い空間で会った誰かの言う通り異世界って奴か?
にしては何だか落ち着くと言うか何だか慣れがある。本でしか見た事が無い部屋とはつまり全く見た事が無いわけでは無いという事だろうか?
ともかく今、僕は<エセ=カネカ>と言う名前の別人物なのだろう。まだ理解が出来ていないが……
歩く練習をしてる内にまた一年が経った
ここには電気やガスは通ってないらしい
何故か上下水道だけは整備されてるみたいで
水の確保だけは安易な様だ。
お母さんもお父さんも意味の分からない単語ばかりで喋っている。やはりここはやたら
ファンタジックな異世界である事に間違い無いみたいだ。やれる事は広がりつつあるが、
両親の優しさで出来る事は限られている。机には上れないし外に出る事等は到底許されたもんじゃ無い。
なので今は読書をしてる。が、この家には
ロクな本が無い<魔王を笑わせる研究>だの
<全く役に立たない術の研究>だの
まあこれは僕の手が届く範囲にあった本なので、もしかしたらちゃんとした本は別の場所にあるのかもしれないが。
にしても今読んでる<植物図鑑 薬 >は割と面白い僕の知ってるトリカブトみたいな見た目の植物は心臓病の治療に役立って反対にたんぽぽみたいな見た目の植物は……幻覚!?
嘘でしょ、せっかくファンタジックな世界に来たのにこっちにも大麻があるとは……
そう都合良くはいかないかと僕は一つため息を吐いた。お母さんの耳が一瞬動いた気がしたが、こちらに来る事は無いみたいだ。まあ読書もこれぐらいにして腹が減ったし何か食べるかな……なんてくだらない独り言を頭に並べているとその目から脳内に入った情報は新たな本であった。所々黒い染みが付着した
皮の表紙にタイトルは<術>としか書いていない。そう言えばさっきも<術>という単語は目にしていた。なんだろう術って?
その本をドキドキしながらパラパラと捲ってみた
<កិរិយាស័ព្ទទី ៥> <27 ನೇ ಕಂದು>
<753 ನೇ ಚಿನ್ನ> <━━━>
<Biru pertama> <tekojvg:%:5>
<━━━━━>
……まずい、情報量が余りに多い!
頭がっ、頭が! 頭が痛い!ひたすらに頭が痛い!!
「エセ!?どうしたの!」
あ、お母さんの声だ
「あ、頭が……痛くって…………」
「た、大変!とりあえずお部屋に行きましょう」
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