2滴目 闇カジノ潜入編

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2滴目 闇カジノ潜入編

「と、取り敢えず、どっちも着てみて良いですか?」 「どうぞどうぞ、隣の部屋を使っても良いですよ」 そういう事なので、隣部屋に移動して着替えてみる。 まずは、清楚系のショートドレス。ミントグリーンの生地に袖の部分はレースになっていて、スカートはふんわりと、ミントグリーンの生地の上にレースが掛かっている。腰には2重のパールベルトと、その上にミントグリーンの薔薇のコサージュが付いている。それに、白いハイヒールサンダルを合わせて、鏡の前に立って見る。スカートの丈は丁度いい。でも心做しか、少し胸が苦しい気もする。まぁ、大丈夫だろう…。私の好みの色合いで、気に入った。周りから見たら、何処かのお嬢様みたいに見えるだろうな。 「先生…、どうでしょうか?」 「おやおやおや…、とても可愛らしいです。似合ってますよ。……胸が強調されて、中々良いな…ワンサイズ小さくして良かった……」 「へ?」 「あぁ、こっちの話です。ささ、次のドレスに着替えてくださいな」 先生が、胸がどうのこうの言っている気がしたけど、何だったんだろう…?まぁ、良いか! 部屋に戻って、もう1つのドレスに着替える。ワインレッドのベアトップドレスで、肩と背中が露出している。腰の黒いリボンを結ぶのもあって、胸も強調されて、先生が言う"少しセクシー"では無かった。それに、黒いハイヒールと、黒のショールを羽織り、鏡の前に立つ。 「こ、これは…、少し所の話じゃない…」 でも、せ、先生には見せないと…だよね。って思っていたら、ドアが開いた。 「瑠衣、着替え終わりました?」 「キャーーーーーー!!!先生!!ノックして下さい!!!」 「何で叫んでいるんです?ノックしても返事が無かったから入ってきたんですよ?それにしても、まぁまぁまぁ…、僕の好みですね〜……色々と強調されてて…特に胸が…ゔっゔん、で、この2つのドレスは上げますよ。どっちが気に入りました?僕としては、今着てる際どいの何ですけど」 それは完全に先生の好みじゃないか!?と思いながら、自分の気に入った方の清楚系ドレスを選んだ。先生はニコニコしながら、ひたすら際どいのを、着ない理由を聞いてきて、何とか答えて回避した。 いつものスーツに着替え終わり、執務室に戻ると、今度は、先生の衣装選びが始まった。執務室に備え付けてあるクローゼットには、変装道具がぎっしりと入っている。鬘から、メイクセット、学生服や女装セットまである。 (先生の身長は179cmあるので、女装をしたら何かすぐにバレそうな気がする。でも、見てみたい) 「瑠衣の清楚系ドレスに合う、衣装を選んで欲しいんです。何か良いのありますか?」 うーん、女装は流石に無いし、学生服も駄目だ。でも、先生の顔が知られていたら困る。取り敢えず、焦げ茶色の鬘と、黒縁眼鏡、濃紺のスーツとワイシャツ、ネクタイはワインレッドしか無かったので、それを渡した。 「着替えましたよ。どうです?イケメンでしょう?」 自分で言うな、とも思うけど確かに、いつもと違ってかっこいい…。眼鏡を掛けているから、少々インテリっぽく見える。これで街中歩いてたら、誰も殺し屋だとは思わないだろうな…。 「はい!素敵です!」 「ふふっ。なら、これにしましょう。では、今回の標的について話しますね」 いきなり話が変わって驚いたが、ついて行く。 「今回の標的である闇カジノオーナー・篠宮は、大層な女好きで有名なんです。そこで、僕達は恋人同士と言う設定で、潜入します。普通に略奪とかするらしいですから、そこを狙って瑠衣には、篠宮にハニートラップを仕掛けて欲しいんです」 「は、ハニートラップ?」 「えぇ、思う存分誑かしたあと、見計らってから僕か瑠衣が殺る…。って感じです」 ハニートラップなんて、やった事ない。今まで、色んな詐欺紛いの事をやって来たけれど、そこまではしなかった。 「という事で、今から僕と練習しましょうね」 「は、はい?」 「だから、未経験らしいので、磨きをかけるんですよ。必要最低限の基礎から教えますよ。どこ迄やりますか?完全に致すまでか、それ以前までか?」 カァっと顔が熱くなる。練習って、実技でしょ?つまり、先生と…。え?!!!!
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